最近まで、大阪市内に軍艦アパートがあったのをご存知でしょうか?
当時、築75年の鉄筋公営住宅。
独特の外観から「軍艦アパート」の異名で知られた大阪市営の「下寺住宅」(大阪市浪速区)の事です。
2006年に取り壊されました。
当時、現存する最古の鉄筋公営住宅。
下寺住宅は1931(昭和6)年、満州事変が起きた年に完成。
大阪市が1930年代に、浪速区内につくった3つの近代的アパート群のひとつで、屋上に並んだかまど用の煙突から煙が立ち上る姿から、いずれも「軍艦アパート」と呼ばれました。
2つは2001〜2002年に相次いで壊され、最後に残ったのが下寺住宅でした。
↓下寺住宅

当時としては、画期的な水洗トイレや上層階からごみを捨てるダストシュートが完備され、建設当時の大阪朝日新聞は「堂々たるモダニズム」と報じたそうです。
間取りは4.5+3畳の居間に台所、トイレを加えた2Kタイプ(約30m2)でお風呂は無し。
一番の驚きは、解体時の家賃がなんと200〜300円台/月だったとか。
ありえない家賃ですよね^^;
戦前からの鉄筋の集合住宅としては、東京・表参道の顔として親しまれてきた同潤会青山アパートが有名でしたね。
下寺住宅より4年早い1927年に完成しましたが、2003年に取り壊され、「表参道ヒルズ」に生まれ変わったのは記憶に新しいです。
下寺住宅の跡地には、昨年、大手スーパーチェーンのライフさんが開業しています。
そういえば、以前ブログに書いた日本最古のRC造が現存することで有名な長崎市沖の端島(通称・軍艦島)。
1916年完成の高層集合住宅は、この無人島に今も残っています。
当時のRC造とはどんな物か。
見学ツアーに参加して間近で見てみたいです^^
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