NHKの番組を見ました。
NHKスペシャル 東日本大震災
「“魚の町”は守れるか〜ある信用金庫の200日」
ある信用金庫とは、気仙沼信用金庫さんでした。
東日本大震災で不良債権寸前になった気仙沼の中小企業を救うため、ふだんは100万円単位の小口融資が中心にも関わらず、リスク覚悟で次々と実行される異例の巨額融資。
有力な取引先のほとんどが津波被害の影響を受け、不良債権総額は震災後既に50億円。
それでも、再生の可能性がある企業には融資を進めなければ、地域の衰退は止められず、信金そのものの存続も危うくなる。
番組内では、
「メイン銀行に融資を断られた。何とかならないか」
事業再建の資金を調達できず、次々と駆け込んでくる中小企業経営者に対して、気仙沼信用金庫さんの瀬戸際融資のひっ迫した様子が伝えられていました。
例えば、津波で工場を失い借金だけが残った水産加工会社。
再建にはどうしても3億円が必要。
本来の基準なら絶対に行えない融資。
信金担当者は、経営者の再建させたいという強い思いに応えるため、信金トップに直談判。
取れる担保がほとんど無い(無担保)にも関わらず3億円の融資を決断しました。
会議室で融資内諾を伝え、涙ながらに感謝の握手をする経営者と信金担当者。
「一緒に頑張りましょう」という信金担当者の言葉が印象に残りました。
東日本大震災で被災した企業は3300社。
このうち、今までに国の補助金を受けられたのはたった200社。
多くの被災中小企業は、こうした地元金融機関のつなぎ融資で再建を進めているそうです。
最近の銀行員は、自らの成績を守ることに主眼が置かれている中、気仙沼信用金庫の姿勢は、融資先の会社を育て(再建し)ようとする、本来の金融機関の姿を見たような気がしました。
被災した中小企業と気仙沼信用金庫さん。
頑張ってほしい、と強く思いました。
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