快速電車と鉄道会社の野望

2013.02.05



鉄道のダイヤ改正が不動産相場に影響を与える。
そんな記事です。

長文ですが、面白いです。


快速電車が消える――そこに鉄道会社の“野望”が見えてきた
Business Media 誠 2月1日(金)配信



毎年3月になると、ほぼ全国の鉄道会社で一斉にダイヤ改正が実施される。
2013年は3月16日にJRグループがダイヤ改正を行う。
そして大手私鉄もたいてい同じ日だ。
理由は簡単で、鉄道会社間の相互乗り入れが各地で行われているから。
相互乗り入れ路線はお互いの列車を共有する関係にあるから、相手と同じ日にダイヤを改正しないと車両のやりくりができなくなる。
直通しない路線でも、同じ日のほうが利用客に認識してもらいやすいから、どの会社もなんとなくJRのダイヤ改正日に収束していく。

(中略)


●京葉線のラッシュアワーから快速列車が消える

 例えば、JR東日本のダイヤ改正では、京葉線と武蔵野線関連のダイヤが興味深い。
朝の通勤時間帯に運転されていた「快速」を「各駅停車」にするという。
また、武蔵野線から京葉線の東京駅方面に乗り入れる列車については、従来はすべて「武蔵野快速」だった。
これもすべて各駅停車になる。

(中略)


●快速運転をやめるメリット

京葉線で快速列車が通過する駅は、新習志野・二俣新町・市川塩浜・葛西臨海公園・潮見・越中島だ。
JR東日本は2011年度の駅の乗車人員を公開しており、これらの駅の乗車人員を調べると、新習志野は1万2532人、葛西臨海公園が1万1644人と1万人を超えているほかは1万人以下。
越中島はもっとも少なくて4137人だ。
東京へ向かう通勤路線として、乗車人員1万人は、都心部に近いにもかかわらず少ないほうである。
ちなみに、快速停車駅の検見川浜は1万5220人。
海浜幕張は5万3772人となっている。

乗車人数が少ない駅に、快速運転をやめてまで停車する意味があるのだろうか。
どちらかというと、快速電車利用客の所要時間増のデメリットのほうが目立つ。
おそらく、それはJR東日本も承知である。
でも、快速運転を取りやめる。
そのメリットは何か。

実は、快速運転をやめて大きな効果を得た路線がほかにある。
東急田園都市線である。
東急田園都市線は東急が主導して開発した多摩田園都市と都心部の渋谷を結ぶ路線だ。
渋谷からは東京メトロ半蔵門線に乗り入れる。

この路線はかつて、朝ラッシュ時に急行を運転していた。
二子玉川から地下に入ると、三軒茶屋駅以外は通過し、桜新町駅で各駅停車を追い越した。
この速達運転は東急にとって大きな意味があった。
長距離乗車する乗客へのサービス向上はもちろんだが、沿線の土地の価値を上げるために「渋谷まで急行で◯◯分」の「◯◯」を小さく見せる必要があったからだ。
住宅地開発上のライバルは、「新宿まで◯◯分」「池袋まで◯◯分」という、他の大手私鉄沿線にあった。

しかし、この作戦が成功し土地が売れて、沿線に乗客が増えると今度は急行が悩みのタネになってしまった。
誰もが急行に乗りたがり大混雑となり、各駅停車と急行の乗換駅では乗降時間が延びまくった。
私もかつてこの沿線から通勤しており、溝の口駅に急行が着くと、乗降時間が長いため、追い越したはずの各駅停車が追いついてしまい、ホームの隣の線路に到着していた。

急行が速すぎて先行する各駅停車に追いつくなら理解できるけれど、急行が遅すぎて各駅停車に追いつかれる。
冗談にもならない状況だった。
当時も各駅停車と急行の到達時間の差は数分だったと思う。
しかし、やはりラッシュ時の乗客は急行に乗りたがる。
早く走るための急行が、運行遅延の原因になってしまった。

そこで東急はついに英断を下す。
2007年にラッシュ時間帯の地下区間の急行運転をやめて、地上のみ急行運転する「準急」とした。
「渋谷まで◯◯分」のプライドを捨てて取り組んだ。
結果としてこれは大きな効果を生んだ。
運行遅延は減り、大井町線などバイパス路線の整備効果もあって、当時198%だった混雑率は2011年に181%まで下がった。

(中略)


●JR東日本の不動産事業にも注目

JR東日本が、混雑率ではマシな京葉線について輸送強化をしたい理由は、もしかしたらほかにもあるかもしれない。
現在の快速通過駅付近で再開発が始まるなら、その鍵をにぎる要素が「鉄道の便利さ」である。
東京駅から2つ目にもかかわらず乗降客が少ない越中島駅などは、住宅物件としてはもったいない立地だ。

この越中島・潮見・葛西臨海公園の各駅は、ラッシュ時間帯の快速中止だけではなく、日中の武蔵野線直通快速がすべて停まるため、1日の停車回数が126回も増える。
新線開業を除くと、こんな駅は近年めったにない“出物”である。

私がJR東日本の社長なら、とっくにこの3駅周辺の土地取得を指示している。
むしろ、不動産開発とダイヤ改正はワンセットで考える。
国鉄時代にできなかった「多摩田園都市」方式を、いまJR東日本はやろうとしているのではないか。



「不動産開発とダイヤ改正はワンセット」
面白い発想ですよね。

関西の私鉄でも、過去、宅地開発によって急行停車駅が増えた例を目にしてきました。
なるほどと思いました^^



posted by ゴン at 17:25 | Comment(4) | 脱サラ大家日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする