理論は机上の空論か?その1

2017.03.07



当方が不動産投資を実際にはじめたのが2006年。

2005〜2006年頃といえば、プチバブルの真っ只中。


多くの不動産会社HPには「オーバーローン可能物件」の特集が組まれ、大々的に仲介されていました。



融資は、今ある某地銀4.5%でなく、都市銀行や地方銀行が1〜2%の金利で表面利回り12%前後の地方RC造物件に融資を出しまくっていました。


ノンリコースローンや収益還元法がもてはやされ、年収200万円のOLでも買えた!的な不動産投資本もありましたね。


この時期にはじめたサラリーマン大家さんはとても多いです。






当方もその類の1人^^



札幌市の平成築RC造 ファミリー物件 利回り16%×2棟 合計52世帯。

某都市銀行のノンリコースオーバーローン(2億数千万円)で2棟同時決済しました。


仲介手数料や10年分の火災保険料にまで融資が付きました。
本当のオーバーローンですね。


今では考えられない融資条件です。
だって当時、私は不動産賃貸業に全くの素人リーマンだったんです。



誰にも頼らず、一人でひたすた銀行廻りをし、努力した結果ではありました。
(ちょっと自慢です、、、^^)


ちなみにこの物件。
10年たった今でも保有し安定経営しています。




++++++



今では再現性の低い投資法ですが、仮に同じような時代が来た時にゼロから不動産投資をはじめるとしたら、当方はまた同じ投資法を選択すると思います。


でも、同じようにこれからはじめたいという人に聞かれたらお勧めしません。


「不動産会社が勧めるから」とか「先輩大家さんがOKしてくれたから」といった安易な理由で参入するのは危険極まりないと思います。




理論は机上の空論か?



実はそんなことはなくて実際に使える道具になっています。



経営判断を丸投げし自分で考えないのは一番ありえない事と思います。



・当時素人だった当方がなぜ2億数千万円のオーバーローンを受けられたのか
・サラリーマンでは一生返せないような借金が怖いと思わなかったのか



次回以降、このあたりを書いてみようと思います。




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posted by ゴン at 17:49 | Comment(0) | 脱サラ大家日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

理論は机上の空論か?その2

2017.03.08



昨日(理論は机上の空論か?その1)の続きを書きたいと思います。




・当時素人だった当方がなぜ2億数千万円のオーバーローンを受けられたのか


まずは当たり前のことですが、、、
持ち込んだ物件が良かった(銀行評価が十分出ていた)のが第一です。



資産背景が無く、賃貸業の実績もゼロだった私。

物件の銀行評価(積算と収益還元)が売値以上出ることが最低条件。
その上で、融資してもらうためのプレゼンが必須でした。



なぜ最初の物件が遠隔地札幌だったか、にも理由があるのですが、、、
書けば長くなるので今回は割愛します。



++++++


当時、技術系サラリーマンとして働いていました。

不動産業界とは無縁の化学メーカー研究所勤務。
三流研究者ながら、、、日々研究に没頭していました。



この時に唯一!?身に付いたのがシミュレーション経験。
あーでもない、こーでもないと、日々考察していました。



この経験が後の不動産賃貸業にも生きることになりました。

(なぜ不動産賃貸業をはじめようと思ったかは、今回割愛します。)




不動産賃貸業の収支をシミュレーションする場合、重要なのが「リスク」。


リスクとは、結果の予測精度、予想通りにいかない可能性の事を指します。
つまり、予想値からの振れ幅やバラつきが「リスク」ですね。



よく、建物の劣化や人口減少が賃貸業のリスクだと言われます。

確かに要素としては重要ですが、これら要素はリスクとは言いません。



なぜなら、これらは数値化し予測することができるからです。

だからリスクとは言わないのです。




・遠隔地物件は管理コストが掛かり危ない
・地方物件は人口が減って危ない
・貸家の供給過剰で空室率が上がり危ない

等々。


たくさんの「危ない」が言われますが、、、
これらをリスクと言わないことは上記説明から明らかと思います。




不動産投資で押さえるべき指標はたくさんあります。


「どうせ机上の空論なんだからやっても無駄」
との考えこそ最大のリスク
だと思います。




融資担当者様には、何度も足を運び、この購入予定物件が、(金融機関にとって)リスクヘッジされているをシミュレーション表で何度も説明しました。


細かくは書きませんが、2棟同時購入を金融機関に認めてもらったのは、大数の法則で最初から複数棟所有する方がリスクが減る(収支計画からの振れ幅やバラつきが減る)と説明することで認めてもらいました。




・当時素人だった当方がなぜ2億数千万円のオーバーローンを受けられたのか


融資する側にとって、この案件がいかに「リスクヘッジ」されているか、についてシミュレーション表を中心にプレゼン時間の多くを割いたことが融資を勝ち取った要因だったと思います。



理論は机上の空論か?を議論する前に、、、
融資を受けるために「理論」はかなり有効だったと言えます。



結論を差し置きダラダラ書いてしまいました^^;


その3へ続けて書きたいと思います。




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posted by ゴン at 18:10 | Comment(0) | 脱サラ大家日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

理論は机上の空論か?その3

2017.03.09



理論は机上の空論か?その2の続きです。




・サラリーマンでは一生返せないような借金を怖いと思わなかったのか


一言で書けば、、、
当時「全く怖いと思わなかった」と断言できます。




2006年3月に最初の物件を購入したわけですが、2005年夏頃から不動産投資の世界を知り、興味を持ち学習していました。


・書店に並ぶ不動産投資関連書籍をほぼ全て読破
・宅地建物取引主任者を独学で勉強し免許取得
・エクセルで独自シミュレーションソフトを制作




ネットに出ている売物件を片っ端からシミュレーションソフトで評価。

シミュレーション上、購入基準に合致する物件の現地調査を繰り返しました。

当時、100件中5件ぐらい検討の土俵に乗る感じだったと思います。




理系人間のメリットかデメリットか。。。


数字が全て!とまでは言いませんが、借金に対する恐怖はこのシミュレーションによるトライ&エラー+現地調査の繰り返しで、当方の心の中から完全に取り払われていました。



購入することになった物件はシミュレーション上、かなり優秀な部類。

当時、全く不安なく購入に至りました。




もう一つ、借金が気にならなかった大きな理由。

それは、ノンリコースローンを受けられたことです。


ノンリコースローンとは、借り手は債務全額の返済責任を負わず、融資を受けた物件(責任財産)からのキャッシュフローのみを返済原資とすることで、その範囲を超えて返済義務を負わない融資のこと。

責任財産限定型ローンと呼ばれるものです。



今ではほぼ死語!?ですが、当時は数行の金融機関で取り扱っていました。



「最悪、物件を返却すれば借金は残らない」

安易といえば安易な考えですが、心の支えになったのは事実です。
(そもそも失敗するとは毛頭思ってませんでしたが、、、^^;)



シミュレーションが融資を受けるための強力な武器になった事はその2に書いた通りですが、ノンリコースオーバーローンを受けられたのも「理論」がプラスに働いた結果だったと思います。。



++++++



理論は机上の空論か?


理論(シミュレーション)は、融資を受けるため道具として有効であり、心の不安を取り去る(マインドコントロール)上でも有効と言えます。




実際に不動産賃貸業に取り組んでから10年経過。

理論は融資だけでなく、経営上も机上の空論ではない!と強く断言できます。



ただし、重要なのは定期的なフォローアップ。

シミュレーションと実際の経営した数値との差異(振れ幅やバラつき)を考察し原因を突き止め、シミュレーションを常にアップデートさせたり、経営でも具体的に対策することが経営の安定化につながります。



各所有物件の個別リスクは「理論」である程度数値化が可能と言えます。


管理コスト、人口減少(空室率、家賃下落)などはリスクでないことは昨日書いた通りです。





ただし、、、市場リスクは完全に除去できません


(想定以上の)金利上昇や税制改正(国のルール変更)などが該当します。




そこで、実際に不動産賃貸業を始めてから考えたことは何か。



その4で書きたいと思います。

(ほぼ自分の回想録みたいな内容になってますね、、、^^;)




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posted by ゴン at 18:45 | Comment(2) | 脱サラ大家日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする