埋没原価に影響を受けない
2020.12.16
会計用語に『埋没原価』というのがあります。
埋没原価とは、すでに発生していて取り戻すことのできない費用で、
どのような選択肢を取っても発生する費用のことをいいます。
過去に事業投下した資金など、すでに支出が行われているものであり、
本来なら、現在の意思決定には影響がないものになります。
しかし現実には、、、不動産賃貸業でも、
この埋没原価が悩ましい存在となることがしばしばあります。
不動産賃貸業に本来影響を与えるものではない埋没原価という存在が、
経営者の心理に微妙に働きかけ、その判断力を鈍らせてしまうのです。
大家の会等で出会った方でも、こういった方を見てきました。
例えば、2億円で不動産投資している方がいるとします。
残念ながら、この不動産投資を継続するとさらに2億円の損失が見込まれ、
この不動産投資をすぐに撤退すれば、追加損失は1億円で済むと仮定します。
合理的な経営判断をするなら、より損失の少ない撤退を選択するはずです。
しかし、これまでに頑張って投じた2億円を考慮してしまうことで、
心理的な影響が働き、撤退の判断が遅れてしまうことがあります。
このように埋没原価について考慮してしまうことで、
経営者としての合理的な判断力を鈍らせてしまう場合があるのです。
埋没原価はすでに発生してしまった費用であり、
未来の意思決定では、今後発生する費用と利益だけで判断することが大事。
失敗をすぐに認めるのはなかなか難しいことです。
しかし過去の失敗は、それを取り戻すことに終始するためではなく、
新たな意義ある選択をするためにこそ役立つもののはずです。
不動産賃貸業に限らず、どんな事業にも当てはまる原理原則。
とても大事なことだと思います。
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二重売買契約の行く末
2020.12.17
数年前、二重売買契約が問題になった事件?がありました。
金融機関がグルだった?と思われる報道もありますが、
その某地方銀行以外は多くが金融機関側にとって騙された側。
ふかしと言われる手口ですね。
金融機関提出用に、本来の価格を吊り上げた契約書を用意。
実質自己資金をゼロにして規模拡大を図る人が続出しました。
みんながやっているからと聞きますが、、、
これは、私文書偽造もしくは詐欺罪です。
最近、二重売買契約されていたと思われる売り物件を見かけます。
某都市銀行2行の融資案件が多いです。
・特定の金融機関への持ち込み厳禁
・もしくは融資してる都市銀行系列の不動産部からの情報
この中の一部だとは思いますが、二重売買契約がバレて、
売りに出ている可能性が高いです。
上記理由から、物件所有者に体力がなく、
残債も物件相場以上に残っていることが多いのでお得でないです。
金融機関も現所有者から返済が続いている限り、
競売にしてまで事件化する必要はなく、結局、割高な売値になってます。
二重売買契約は犯罪。
そこまでして規模拡大しても本人が一番楽しくないと思うのですが。。。
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リノベの力
2020.12.18
お友達大家さんが最近購入された物件を拝見しました。
1棟目は神戸市築25年程度の低層RC造。
敷地が広いため積算価格が十分に出ていて、
各戸の間取りは約70平米3LDKで利回りが約12%だとか。
今の市況なら通常、利回り8%程度で取引される物件。
かなり安く仕入れられてました。
2棟目も神戸市の収益物件。
小ぶりなアパートでしたが、改修工事後で約16%の利回りだとか。
水廻りは造作キッチン。
↓
コストと仕上がりのバランスが絶妙でした。
2点ユニットの洗面ボールを撤去して、
別の場所に洗面化粧台を新設、浴室パネルでリメイクしていました。
↓
平成初期の物件に多い2点ユニット。
家賃が上げられる地域ならこれは是非試したいリフォームです。
私も該当する物件があるのでやってみる事にしました。
見学させて頂いた大家さんに感謝です。
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