「ぶつぶつ川」を御存知でしょうか?
和歌山にある日本一短い川です。
13.5mでも「2級河川」 和歌山に日本一短い川2012/12/15 日本経済新聞
大阪・天王寺駅からJRで南へ。
本州最南端の串本駅で鈍行に乗り換え、ほどなく無人の下里駅に着いた。
予約のタクシーで5分ほど。
「ここですよ」。
運転手さんが言う。
下車すると足下に川。
何の変哲も無いように思えるが、これが日本最短の川なのか。
「違うよ、そっちは粉白(このしろ)川。こっちこっち」。
運転手さんが指さす方を見ると、いかにも頼りない水路のような流れが。
あまりに細くて短いので見落としてしまった。
↓(拡大可)
川べりに下りてみた。
全長13.5メートル。
民家と畑の脇にある石組みの下から湧き出た水は石垣沿いに流れ、あっという間に本流の粉白川へと流れ込む。
川幅は最大でも1メートル足らず、水深は20センチくらいだろうか。
地元の那智勝浦町の粉白区長、福田和由さんに聞いた。
「飲むとおいしいし、野菜を洗う人もいる。昨夏の台風で断水が続いた時は本当に重宝したよ」。
地下から水が湧き出る際、ぶつぶつと気泡がたつ様子から命名されたという。
水は清らかで通年セ氏で15〜16度、夏は冷たく冬は温かい。
地域に密着した川なのだ。
正確に言うとぶつぶつ川は「日本で最も短い法指定河川」。
国内の川は管理者が国の1級河川、都道府県の2級河川、市町村の準用河川に分かれるが、最長の信濃川以下、日本で数あるこれらの川のうち、最も短いのがぶつぶつ川なのだ。
ちなみに、最も長い2級河川、日高川も同じ和歌山県を流れている。
ぶつぶつ川が和歌山県から2級河川の指定を受けたのは2008年。
県河川課の松本耕次さんによると「周辺は自然環境が豊かなので、粉白川と一体で県が環境保全に努めるべきだと判断しました」とのこと。
同年、京都大学紀伊大島実験所が現地の植物を調査した。
これだけの狭い場所で256種が確認され、絶滅危惧種も見つかったという。
地域で大切にされてきたからこそ、多くの貴重な種が保存されてきたのだろう。
細く短い流れが、実に誇らしげに見えてきた。
川沿いの土地は、一般的に軟弱地盤で洪水の心配があることから敬遠されがち。
でもこんなに豊かで可愛い川ならメリットが大きいですね^^
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