不動産投資で使われるイールドギャップという言葉。
よく下記のような使われ方を見聞きします。
・利回り10%の物件を借入金利1%で買った場合のイールドギャップは9%
・利回り10%の物件を借入金利3%で買った場合のイールドギャップは7%
・投資するならイールドギャップは最低8%欲しいね
等々
↓

『イールドギャップ = 表面利回り ― 調達金利』
一見、正しそうですが・・・、正確には間違っています。
イールドギャップの本来の意味は、
『イールドギャップ = 投資利回り ― 国債金利』
不動産投資でよく使われるイールドギャップには時間の要素が入ってません。
また、表面利回りも実質利回りでの計算が必要です。
実質利回り10%、1億円の物件をフルローンで購入した場合の年間返済額(元利均等)を下記条件でそれぞれ計算してみます。
@借入期間10年金利1% ⇒ 10,512,492円/年
A借入期間10年金利3% ⇒ 11,587,284円/年
B借入期間30年金利1% ⇒ 3,859,668円/年
C借入期間30年金利3% ⇒ 5,059,248円/年
当たり前ですが、借入期間によって年間返済額は変化します。
これらのモノサシを統一するために使われるのがローン定数。
『ローン定数 = 年間の元利合計返済額 ÷ ローン残高』
@〜Cのローン定数を計算してみると、
@10.51% A11.59% B3.86% C5.06%
よって、それぞれのイールドギャップは、
@10% − 10.51% = −0.51%
A10% − 11.59% = −1.59%
B10% − 3.86% = 6.14%
C10% − 5.06% = 4.94%
1%で借りても、借入期間が10年で短いと逆レバレッジになっています。
単純にイールドギャップが9%なんて言い方、デタラメなのがよく分かります。
ちなみに、健全なレバレッジなのかは下記で確認できます。
↓
『自己資本配当収益率 > 実質利回り > ローン定数』
経営者は数字に強くないといけません。
イメージで捉えると事業に失敗する典型ですね。
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知ったかぶりです(笑)