作家の橘玲さん。
『「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計』をはじめ、数多くの著書があり、個人的に好きな作家の1人です。
以前、橘玲さんが賃貸住宅に関して考察した面白い記事を読みました。
貧乏くじを引くのはいつもまっとうに生きている多数派週刊プレイボーイ 2014年5月19日発売号 橘玲(一部抜粋)
日本では、賃貸住宅を借りるときに保証人を要求されるという悪弊がいつまでたっても改まりません。
家賃を保証できるのは収入のある親かきょうだいで、年をとると保証人が見つけられなくなり、この不安が無理をしてマイホームを購入する理由のひとつになっています。
ところが、“リベラル”と呼ばれるひとたちはこの問題を取り上げるのに消極的です。
なぜかというと、保証人制度を廃止すると彼らにとって都合の悪いことが起きるからです。
不動産を貸して生計を立てている家主たちは、家賃滞納者のブラックリスト化をずっと求めていますが、リベラルなメディアや団体の猛反対にあって頓挫しています。
家賃を払えないのは止むに止まれぬ事情があるからで、ブラックリストに載せれば家を借りられなくなってしまう。
貧乏人をホームレスにするような制度は許されない、というわけです。
貸金業では常習的な滞納者をブラックリストで排除できますが、不動産業ではそれができません。
いったん悪質な借家人に居座られると大損害ですから、責任を負ってくれる保証人を求めざるを得ない、というのが家主の主張です。
こうしてリベラル派は二律背反を突きつけられます。
保証人制度を批判すると、家賃滞納者のブラックリストを受け入れなくてはなりません。
ブラックリストを阻止しようと思えば、保証人制度を容認するしかなくなります。
リベラルとは、常に少数者の側に立って社会問題を解決しようとする政治的態度です。
家賃を滞納するのはごく一部で、彼らが「社会的弱者」だとすると、その権利を守るためには、ちゃんと家賃を払っている大多数の借家人が不利益を被っても仕方がない、ということになります。
家賃滞納者を保護すれば、困るのは家主ではなく健全な借家人です。
ちょっと考えればわかることですが、こうした議論をぜったいに受け入れません。
自分たちが“正義の側”に立てなくなってしまうからでしょう。
こうして日本では、まっとうに生きている多数派がいつも貧乏くじを引くことになるのです。
政治的テーマはあまり扱いたくありませんが面白いので記事にしました。
個人的な意見は書きません。
各自で感じてほしいです^^
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