一般雑誌『プレジデント』。
安易なフルローン投資への警鐘記事が載っています。
長文ですが、一部転記します。
要注意!「頭金ゼロでサラリーマン大家さん」のカラクリプレジデント 4月27日(水)配信
■頭金ゼロで一棟マンションのオーナーになれる時代
3月某日、東京・六本木の中心部にある雑居ビル。その会議室で開かれているセミナーには、40〜60代のサラリーマンばかり20人ほどが集まっていた。
講師は、不動産投資で年収3億円以上を稼ぐという触れ込みの“投資家”である。
この投資家が、熱く参加者に語りかけている。
「マイナス金利の時代になったおかげで、今は銀行もお金を貸したくて仕方がないんです。こんな時代に賢く投資するには、こんなに低い銀行の金利の資金を使って、高い収益性のビルを買うことです」
「都心はもう物件が高くなりすぎていて、収益率は低くなっていますが、地方は違います。狙い目は、築年数が少し経っていても、賃貸人がしっかりついて回っている人気物件です。こういう物件は非常に安く買えますから、買値に対しての利回りが非常に高いのです」
「こうした居住用の物件は借り手も安定しており、安く買えば利回りは、表面で10%を超える物件もある……」
投資家は、さらに続ける。
「さらに購入する際も、今なら高収益の物件は銀行が頭金ゼロで、フルローンで貸してくれます」
「元手がなくても、一棟マンションのオーナーになれる時代になったんです! 」
「安く資金を借りて、収益性の高い投資先へ投資をすれば、その借金の毎月の支払いは賃借人がしてくれるわけです。そして皆さんには、資産ができるんです! 」
「賢く、これだけ儲ける方法があるんです。こうして安定した資産を築けば、もう老後や将来への不安もありません。このセミナーでは、特に収益性の高いオススメ物件をいくつかご紹介します。このセミナーだけの特別情報ですよ! 」
このようなセミナーが頻繁に開かれるようになったのは、今年1月29日に日銀がマイナス金利政策の導入を決定し、金融機関に融資を強制的に仕向けて以降のこと。
開催件数も増え、活況を呈しているというが、一見もっともらしいこの儲け話、本当に鵜呑みにしてよいのだろうか。
■築25年以上と古く、地元では誰も住まない物件
都内の物件を多く手掛ける不動産業者によれば、このようなセミナーにはいくつかの共通点があるという。
(中略)
セミナーでは、高収益物件として地方の一棟マンションなどの購入を薦めるが、いざ購入の段になると、セミナーごとに決まった地方銀行から融資を受けるよう、事が運ばれていくという。
(中略)
■頭金ゼロのフルローンを組ませるカラクリ
今年2月、日銀がマイナス金利政策を実施した影響もあって、国内ではなんとか融資先を見つけたい地銀の一部がこうしたセミナーを後押ししているという話も、業界からは聞こえてくる。
(中略)
さらに地銀の側の事情もある。
表面上、高収益物件として社内の審査に出せば、与信額が収益還元法(将来の収益から現在の価値を計算する方法)で計算されるので、頭金ゼロのフルローンで地銀が融資をする事ができるのだ。
■「うますぎる話」に飛びつくと痛い目をみる
ただし、このような地銀のローンは銀行にとってリスクの高いサブプライムローンのようなものだから、金利は4%以上になることが一般的で、ほとんどの場合、マイナス金利や低金利の恩恵はない。
しかし、高い金利でも30年以上の長期ローンにすれば、毎月の支払い額が小さく見えるため、購入者の方は高金利に気づきにくい。
融資する地銀の視点で考えれば、マイナス金利政策で収益が厳しい時期に、融資先と不動産担保を同時に見つけることができ、かつ高い金利収入を得る事ができる、「おいしい取引」ということになる。
しかし、購入する側が、「借金は賃借人が返してくれる」などという言葉を鵜呑みにするのであれば、購入する側にとっては明らかに危うい取引だ。
現在、日本の地価は一極集中型となっており、不動産価格は二極化している。
都市部の中心とは違い、地方での賃借需要は実際には少ない。
そこで古い物件を買っても、期待されるような収益はまず得られない。
これらはあくまで一部の事例であり、不動産投資セミナーそのものを否定するつもりはない。
しかしながら国内不動産業界では、4月に入ってからこうしたセミナーを後押しする地銀の数がさらに増えるという話が聞こえてくる。
うますぎる話には、十分注意しなければいけないだろう。
プレジデントに掲載されたのがとても良いですね。
不動産投資は、とにかく自己責任。
仲介業者に進められるまま購入するなんて、、、全くありえません。
『投資判断は自分自身で行う』
これからはじめられる方には、特に徹底頂きたいです。
【脱サラ大家日記の最新記事】