業者から投資用区分マンションを実勢価格を遙かに上回る金額で購入。
当然、、、買主は大幅な損失を出す結果になります。
実勢価格を知らせずにマンションを販売した業者は倒産。
業者担当者への責任は求められるのか?
東京地方裁判所令和4年1月28日の判決事例があります。
本件は買主が購入したマンション価格の合計額が2,470万円。
その後の売却価格がわずか800万円で、その差が1,670万円にも及んだ。
業者(倒産)は実勢価格を確認・調査して説明する義務があったか、
という点が問題となりました。
判決は、
「被告らは、日常的に不動産取引を扱う本件会社の従業員として、本件会社が本件各マンションを購入する価格がいくらであるかや、近隣の取引事例を参照するなどして本件各マンションの実勢価格を確認・調査することは容易であったにもかかわらず、何らの確認をすることもなく、原告に対し、本件試算表による投資計画に基づいて本件各マンションの購入を勧誘したものであり、投資に関わる重要な情報についての説明義務違反があったというべきである」
と述べて、説明義務違反を認め、
不法行為に基づく損害賠償義務を負うと判断しました。
また本件では、売主である会社がすでに破産。
会社の営業担当者が被告とされましたが、被告に対して裁判所は、
「なお被告らは、本件会社の一従業員にすぎないことを主張するが、被告らは、本件会社の営業担当社員としての知識や経験はあり、被告らにとって本件各マンションの実勢価格の確認・調査は容易に成し得ることであったのであるから、上記認定判断を左右するものではない」
と述べて、その責任を認めました。
一方、原告に対しても、
「自らの自己資金には余裕がない状況で、投資の内容について十分に考慮することなく本件各マンション購入の判断をしてしまったことに一定程度の軽率な面があったことは否めず、その他、本件に現れた一切の事情を総合考慮して、4割の過失相殺をするのが相当である」
と述べて、買主側の落ち度についても認定をしています。
投資判断は自己責任。
個人的には業者過失が6割認められたのはラッキーと思うべきでは?
と思います。
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さて、売却価格800万円が実勢なのかをすぐに調べないとスタート地点の議論がずれちゃいますね。
さらに、時期によって相場観=実勢が変わりますし、物件スペックによっても変わるでしょう。
高裁、最高裁にいけば判決変わる可能性もありでは。
融資に関する通帳偽造の有無、買主の加担具合など、売買の詳細が分からないので判例として受け取るだけかなと思います。
しかし、相場を調べずに物件を自己判断で買っているので買主過失の方が高いと思ってしまいます。